■■ワクチンと伝染病の話■■
 生まれたときの子犬は、母犬の免疫を持っていますが
 50日〜60日で移行抗体が切れる為、ワクチン接種が必要となります。

 その後は3週間〜1ヶ月程して2回目のワクチン接種をします。
■■ワクチンの種類■■
  1、犬ジステンパー
  2、犬パルボウイルス感染症
  3、犬アデノウイルス2型感染症
  4、犬伝染性肝炎
  5、犬パラインフルエンザ
  6、犬コロナウイルス感染症
  7、犬レプトスピラ病黄疸出血型
  8、犬レプトスピラ病カニコーラ型
  9、犬レプトスピラ病へブドマディス

 現在9種類ありますが犬種によって2種混合〜9種混合まで一度に受けます。

 病気予防の為に全て受ければよいというわけでもなく、当然のことながら副作用も考えられます。

 仔犬の場合は5種混合
 成犬の場合は散歩状況や飼育環境などを考え6種混合〜9種混合と様々ですが、ワクチンの抗体は
 長くて1年しか持たないため毎年受ける必要があります。
 ワクチン代は病院によって様々ですが平均5000円〜1万円 6種混合で8000円前後だと
 いわれています。 お近くの病院で確認してください。

 ワクチン接種後は激しい運動やシャンプーを避けてください。
 仔犬の場合はワクチン接種後1週間は散歩は避けるほうがよいでしょう。
■□■ 犬ジステンバー ■□■
 ジステンバーウイルス(感染犬の分泌物)が、排泄物中のウイルスが 空気により伝播し感染する。
 特に冬期時、寒く乾燥した環境で伝染が強い。
 (-10℃で半年以上、4℃で7〜8週、室温で7〜8日、感染力を維持)。
 犬ジステンパーウイルスが脳神経細胞や脊髄の神経細胞に侵入すれば、痙攣(けいれん)発作や、
 歩くことができないなどの神経症状が現れ、最悪の場合には死に至ることもあります。
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 発熱・咳き・鼻汁・呼吸困難・下痢・血便・脱水症状
 など続き 進行すると、痙攣などの神経症状が現れ
 死亡にいたる。
 生ワクチンを接種。  
 生後50〜60日で1回目、90日すぎに2回目、
 その後は年1回接種。
■□■ 犬伝染性肝炎 ■□■
 この病気は、犬アデノウイルスI型の感染によっておこる伝染病です。
 発症してしまった場合重篤な
急性肝炎をおこし死に至ることもある恐ろしい病気です。
 付着した食器をなめたりすることなどです。このウイルスは外部環境での抵抗力が強いため、室温でも
 一定期間は感染性を保ちます。病気から回復した後も尿と一緒に一定期間排泄されて、ほかの犬への
 感染源となります。
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 肝臓に炎症が起こり、吐く、熱が出る、下痢をする、
 お腹を痛がるなどの症状が現れます。
 軽症の場合は軽い発熱や鼻水が出る程度ですが、
 重症の場合はぼんやりした虚脱状態になり、
 発症して半日から1日の間に死に至ることがあります
 生ワクチン接種。
 犬ジステンバー(D)と犬伝染性肝炎(H)の2種混合(DH)  を年に1回接種。
 発症してしまうと有効な治療法がありません。
 タンパク質、ビタミン、糖を摂取していく食餌療法。
■□■ 犬パルボウイルス感染症 ■□■
  別名「犬コロリ病」と呼ばれていました。
 パルボウイルス感染症には「腸炎型」と「心筋炎型」の2種類があります。
 この腸炎型に侵された場合は、嘔吐と血液のような下痢をするようになります。
 このウイルスは感染力が極めて強く、ワクチン開発によりその勢力はかなり治まりましたが、現在でも
 
死亡率の高い伝染病です。ワクチンを接種してないで免疫のない子犬がかかった場合、心臓に病変が生じ
 2〜3時間から1〜2日で急死
する事もあります。

■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 腸炎型は激しい下痢や血便・嘔吐で脱水症状を起す。
 心筋炎型は呼吸困難を引き起こし、いずれも死亡率
 が高い。
 年に2回単独でワクチンを接種し、他の犬の排泄物を
 舐めさせないことが重要。一度発症すると有効な治療
 はありません。
■□■ 犬レプトスピラ症 ■□■
  犬のレプトスピラ症は、レプトスピラという細菌の感染によって黄疸や腎不全などを発症する感染症です。
 感染しても症状が見られないことも多いですが、一方で命に関わることも多い怖い病気です

 レプトスピラ症は、イヌレプトスピラ菌もしくは黄疸出血レプトスピラ菌の感染が原因で発症します。
 感染した犬やネズミなどの尿や、その尿に汚染された土や水たまりに接触することで感染します
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 ひどい嘔吐や下痢が続き、悪化すると血便になり、
 腎不全から尿毒症を起し死に至りいます。
 一方、感染しても特に症状の現れない場合
 (不顕性型)も多く見られます。この場合は自然と
 治癒しますが、長期間、尿と一緒に菌を排泄して、
 ほかの犬や人への感染源となります
 犬ジステンバー(D)と犬伝染性肝炎(H)に
 レプトスピラ不活化ワクチン(L)を混ぜた(DHL)を
 毎年接種。飼育環境を消毒し清潔に保つ必要。
 また、散歩中にほかの犬の尿などがあれば、
 絶対に口を近づけさせないように注意しましょう。
■□■ コロナウイルス感染症 ■□■
 コロナウイルス感染症に成犬がかかっても、ほとんどの場合が症状の出ない不顕性感染です。
 しかし、子犬がかかると下痢をする、吐く、元気がなくなる、食欲が落ちるなどの症状が現れます。
 またコロナウイルス感染症は、犬パルボウイルス感染症との間で混合感染することが多く、その場合は症状が
 より重くなり、
命に関わる危険性が高まります
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 フン便はオレンジ色で悪臭を放ち、軟便からやがて
 水っぽい便になるとともに、血が混ざることも。
 下痢が長引く場合は脱水症状を起こし、
 ひどい場合には命に関わることもあります。
 混合ワクチンの接種が有効です。子犬のうちに
 必要な回数のワクチンを受け、成犬になってからも
 年に1度受けるようにしましょう。
 感染しても自然治癒する場合があります。
■□■ ケンネルコフ (伝染性気管支炎) ■□■
 伝染性気管気管支炎と呼ばれるこの病気は、単一の病原体によるものではなく、いくつものウイルス、
 細菌などが複合
して病気を起こしているものです。

 致死的な感染になることは少ないとされています 症状 発作性の咳が特徴ですが、その程度や発熱の
 有無は様々です。上記のウイルスは気管支のかなり奥の方に感染しますが、細菌感染などが複合して、
 呼吸器系の広範囲が冒されます。

 症状発現から通常は1週以内に免疫ができて回復します。
 しかしその後も、気管の部分を圧迫したりするとせき込むことがよくあります。
 特徴的な症状の中で、喉になにかがひっかかったような咳をします。
 ときには鼻汁を出すこともあります。進行すると元気や食欲がなくなり、肺炎になることもあります。
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 頑固なセキがいつまでも続き、鼻汁をたらして
 体力も急激に消耗。仔犬などは死に至る場合が多い。
 犬アデノウイルス(U)型感染症ワクチンを接種。
 一度感染すると有効な治療法がないので、
 犬舎や犬の歩き回る範囲を清潔に保つ。
■□■ 狂犬病 ■□■
 狂犬病は、哺乳類や鳥類などすべての恒温動物に感受性がありますが、特に犬を始め、キツネ、
 オオカミ等犬の仲間が感染しやすい、ウイルス性の病気です。
 この病気の恐ろしさは、症状の悲惨なこともさることながら、いったん発病すると、現在の医学でも
 治療方法はまったくなく、その
死亡率が100%に至るところにあります。
■■■■■■■ 症 状 ■■■■■■■ ■■■■■■■ 治 療 ■■■■■■■
 中枢神経に作用し全身の感覚を麻痺させる。
 フラフラ歩きヨダレをたらし、無差別に噛み付き
 100%死亡する。
 毎年春(4月)に1回予防接種を行う。


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